株式会社中央エンジニアリング

従来の工法では実現できない
AMならではのモノづくり

無駄のない理想的な形状を
3D金属造形技術によって可能に

グループの仕事内容について、どんなことをしているのか教えてください。

私がグループ長を務めるAMソリューショングループの「AM」とは、「Additive Manufacturing」の略で、いわゆる3D金属造形のことです。専用の3Dプリンタで金属粉を焼き固めて、任意の形状を造形します。

AMは近年欧米や中国を中心に急速に拡大している技術分野で、日本でも航空宇宙,医療関連,金型業界をはじめ色々な製品で適用が進みつつあります。この5年ほどで装置が大きく進歩、非常に高性能になったことで可能性がさらに広がり、産業界で最も注目されている技術の一つとなっています。

中央エンジニアリングのAMソリューショングループでは、このAMに関するお客様からのさまざまなご要望にお応えすべく、設計(計画図、図面、モデリング、DfAM)に限らず、AMの提案(AMの説明・勉強会、対象部品の選定、経済性評価など)からモノづくり・試験(造形、造形後の最終製品加工・試験)まで、すべてを一貫して自社で対応しています。

AMのモノづくりは、従来の工法では実現することができなかった無駄のない理想的な形状をAMの3D造形技術によって可能にすることができるのが大きな強みです。
その一方で、コストや量産においてはデメリットもあるため、どのパーツをAMでつくるのかを見極める「スクリーニング」という部品選定の工程がAMを使いこなすには重要となります。お客様と信頼関係を築くだけでなく、解析ソリューショングループと連携しながらプロジェクトを進めていきます。

現在では、造形の国内トップランナー企業と協業体制を構築し、設計から製造まですべて対応できる取り組みを行っています。

自由度が非常に高いからこそ
デザイン力が問われることが、
魅力であり難しいポイント

このグループのやりがいはどんなところですか?

AMは市場においてもまだまだ成熟した技術ではありません。
だからこそ、日々の作業から自分たちも驚くような発見やアイデアが出ることがあり、いい意味でも悪い意味でも非常に刺激のある日常を送ることができます。

AMは旋盤やマシニング、溶接といった従来の工法に比べ、実現できる形状が多彩です。
その反面、AMを設計で使いこなすにはAMプロセスの理解、冶金学的な知見、従来工法の知見、特殊なデザインツールの理解、品質保証に関する知見など、多岐にわたる知識が必要となります。

私たち設計者は図面をひくとき、この部分はどの工作機械を使って削るか、どのような方法で接合するかなどモノづくりを頭の中でイメージしながら形を決めていきます。
それぞれの加工法にはさまざまな制約条件があり、その制約をかいくぐりながら自分の求める形状に近づけていくんです。AMはこの制約条件が従来の加工法とはまったく異なります。
設計の自由度が非常に高い分、設計者のデザイン力が問われます。これが魅力であり、かつ、難しいポイントにもなります。

私たちのAMに関する技術レベルは、国内においてトップクラスにあると自負しています。
現在は航空宇宙や飛しょう体といった分野で活発に設計に盛り込まれつつありますが、この技術をさらに幅広い分野に拡大し、国内のAM市場の活性化を牽引するようなポジションを築きたいと考えています。

さまざまなプロジェクトに
業種を問わず携われるチャンス

どんなプロジェクトに携わることができますか?

これまでは航空宇宙機器の開発をメインに行ってきましたが、近年では少ないながらも医療機器、オーディオ機器などの引き合いも増えつつあります。 航空宇宙機器においては、競争力強化のため今後は低コストや短納期、高性能がキーワードになります。これらを実現する方法の一つとして、AMは非常に重要な意味を持ちます。 また、医療や半導体、その他一般産業分野においても、AMは非常に注目されているので、業種を問わずさまざまなプロジェクトに携われるチャンスがありますよ。

このグループの将来について、どんな未来を描いていますか?

「AMといったら中央エンジニアリングのAMソリューショングループ」と言われるような未来を築いていきたいと思います。 国内のAM市場をみてみると、海外に比べかなり遅れている印象をもっています。これにはさまざまな理由がありますが、その要因の一つはAMエンジニアのスキルや数が海外に比べ遅れていることがあげられると感じています。 AMは専用の装置で造形するのですが、装置は海外でも国内でもまったく同じものが使用できます。つまり、設備環境に差はなく、その装置をいかに使いこなすことができるかが重要なんです。いくら良い性能のPCを持っていてもよいプログラムを書けるわけではありません。プログラムを書くには非常にコアなスキルが必要なように、AMの真の価値を引き出すためには、デザイン、造形、そしてそれ以外にも多くの幅広いスキルが求められます。一人ですべてのスキルを習得することは非常に困難ですが、私たちはチームの力でトータルでの知を築き、技術力を高めていきたいと考えています。 私たちのグループは、設計、モノづくりからこのAMエンジニアスキルを鍛えることができる環境や機会がたくさんあります。現状では海外がリードしていますが、国内から海外にどんどん手を伸ばしていくのが大きな目標です。

「大きくて動くもの」が
子どもの頃から好きでした

エンジニアとしての仕事に興味を持ったのはどんなことがきっかけでしたか?

飛行機やロケットといった「大きくて動くもの」が子どもの頃から好きだったんです。工業高校で機械設計や製図を学び、この頃からエンジニアの仕事に興味を持ちはじめました。

あなたが「いつか設計(開発)してみたい」と思うものはなんですか?

障がいのある方のお役に立てる道具や発展途上国のさまざまな課題を少しでも改善できるような道具を開発してみたいです。それらは世の中に必ずしも必要なものではないかもしれませんが、そういったものを生み出すことができたらと考えます。

休日はどんな過ごし方をしていますか?

山登りやデイキャンプなど手軽にできるアウトドアでリフレッシュしています。大自然の中で熱いコーヒーを飲みながらの読書は最高です。

AMのモノづくり技術を
多くの人に知ってもらうために

今後の目標ややってみたい仕事などを教えてください。

直近での目標は、AMのモノづくり技術をより多くの人に知ってもらい世の中に広く流布することです。技術について知ってもらうことで、さらにより幅広い分野や製品における可能性を探るきっかけが生まれるんです。そのために、技術講演会なども積極的に行っていきたいと考えています。

中央エンジニアリングは、業界においてどんな会社だと思いますか?

エンジニアリング業というと「設計だけ」のイメージが強いですが、中央エンジニアリングはプロジェクト管理からモノづくり、試験まで幅広く対応している会社です。 また、お客様との関係がビジネスライクなものではなく、コミュニケーションを多くとることによってアットホームな関係を構築し、より近い距離で接することができる会社だと思います。

中央エンジニアリングで働くことの魅力とは、あなたにとってはどんなところだと思いますか?

航空宇宙機などの設計は誰しもが携われるものではないので、国家プロジェクトにも比較的ハードル低く参画できることは大きな魅力ですよね。また、AMをはじめ、最先端のエンジニアスキルを獲得できるのも技術者としては重要なことではないでしょうか。

研修や社内制度では、どんなことを学びましたか?

設計で使用する専門スキルはもとより、コミュニケーションやプレゼンスキル向上といったさまざまな研修を自分の意志で選択受講することができます。マネジメント研修では市場分析や戦略の描き方など、さまざまな組織運用のノウハウを学びました。

一つの製品だけではなく、
最先端のプロジェクトに
参画することができる会社

入社を検討しているときに不安だったことはありますか?実際はどうでしたか?

自分の希望する職種、作業に携わることができるのか不安だったことを覚えています。実際には想像通りの業務に携わることができました。現在は会社見学やインターンシップ等にも柔軟に対応しますので、ぜひこうした機会を活用いただきたいと思います。

入社を検討している方へ一言お願いします

中央エンジニアリングでは一つの製品だけではなく、市場におけるその時々の最先端のプロジェクトに参画することができます。また、スキルを磨きたい方はその機会をいくらでも作ることができる会社です。まずは私たちのことを知っていただくことがスタートだと思いますので、興味を持たれた方は気軽に職場を見学できる機会を利用していただき、仕事内容やエンジニアの姿を直接に見に来てみてください。