株式会社中央エンジニアリング

宇宙機器グループ

民間航空機の構造設計や
ロケットの組立治具の設計製作

2013年 吉川 勝也

1,000人を超える大人数が携わる
大規模なプロジェクトへの参加から
自社内で受託開発まで

主な仕事内容について、どんなことをしているのか教えてください

民間航空機の構造設計や国産ロケット等の組立治具の設計製作などを行っています。

民間航空機のプロジェクトは4年間ほどメーカー先に出向しての業務で、飛行機の主翼や尾翼に取り付けられている舵面(飛行機を操縦する際に動かす部分)の構造設計を担当していました。具体的には、何種類かある舵面の内の「スポイラー」という部品の設計です。

このプロジェクトは1,000人を超える大規模なものだったため、常に関係各所とのコミュニケーションが重要でした。
私も台湾や日本の製造メーカーの組み立て担当者等と連絡を取り合うことが多く、製造や組立段階で不具合が起きた際は適切な処置方法を現場に指示し、発覚した不具合改善のための設計変更や追加部品の設計等を行っていました。



現在は、国産ロケット等の組立治具の設計製作を担当しています。
お客様から「こういった治具を作って欲しい」という依頼をいただき、製品として納品するところまで全体を通して行っています。

ご要望いただいた仕様に合う製品を設計し、図面や強度計算書等を提出・承認をいただきます。その後、提携している加工メーカーに部品製作を依頼。一部の組み立てや品質検査を自社で行い製品を完成まで作り上げています。

現在の仕事をするまでにどんなプロジェクトに携わってきましたか?

入社1年目から4年間、民間航空機のメーカーに出向していました。

そこでは、1年目のときは航空機胴体の図面体裁を整える修正作業を主に行い、2年目からは舵面の構造設計を担当していました。

5年目には自社での受託開発で、半年の間ロケットエンジンの3D金属造形部品の開発補助を行い、6年目からは再度民間航空機のメーカーに出向し、空調ダクトの装備設計を2年間担当しました。
そして、8年目~現在は、自社での受託開発において宇宙機器等の治具の設計製作に携わっています。

私はチャンスを広げていきたいという考えから、色々な部署やプロジェクトに携わってきました。
いま携わっているプロジェクトは、現在の上司から声がかかったことがきっかけでした。面談のときに真っ先に「ものづくりは好きですか?」と質問され、「好きです」と答えたからこそ、新しい挑戦ができたのかもしれません。

さまざまな経験が自分の力になる

これまで携わった仕事でやりがいを感じたことや印象的だった出来ごとはどんなことですか?

一番印象に残っているのは、携わっていた民間航空機のプロジェクトで発生したトラブルです。
何度目かの飛行試験前日の夜に、たまたま確認事項があって格納庫に行った際、別の箇所で部品の破損が発見され、緊急の対応となりました。チームメンバーがほとんど帰ってしまっていたため、設計判定を出せる人が自分しかおらず、自分と承認者の先輩、上司の3人で、翌日早朝からの飛行試験に間に合わせるために緊急で対策案を検討しました。
修理するのは間に合わないという判断から、急遽他号機から破損した部品まわり一式をすべて交換することでスケジュールになんとか間に合わせることができました。徹夜でした。


現場の作業者や品質保証の担当者と夜通し何度も調整しながら対応したときは緊迫したなかでも不思議な一体感がありましたが、徹夜はもう避けたいですね。
しかし、こういった経験が自分の力にもなっています。

仕事をする上で気をつけていること、心がけていることはありますか?

「自分はこの担当だから他のことは知りません」と視野を狭めてしまわないよう、なるべく幅広く知識や人脈にアンテナを張るよう心掛けています。
設計で躓いたときやトラブルに遭遇したとき、別分野の知識が役に立ったり、まわりの人の力を借りることができたり、解決の為の選択肢を増やすことができるからです。

知識の広げ方は主に書籍を読むことが多いですが、最近はDIY動画なんかも観たりしています。
身の回りにあることでも知らなかった工作機器の知識や思いも寄らない部品の使い方を知ったりすることがあり、いつか役立つかもしれないアプローチ方法を増やすことができます。

求められている以上の
価値をプラスした設計

あなたが考える「理想の設計 / テクノロジー」とは?。

他者が思いつかないような独自性があり、なおかつ実際に使われる方の潜在的なニーズにまで気を配った形や機能を実現できる設計が理想だと考えています。
だからこそ、他社では思いつかないようなオリジナリティのある設計ができるように心がけています。

治具の開発では見た目よりも機能面を求められないことがほとんどですが、見た目のかっこよさも意識して設計した試作品に対して「思ってた以上にかっこいいじゃないですか!」と喜びの言葉を引き出せたときはうれしいですね。
そういった求められている以上の価値をプラスした設計をしていきたいです。

エンジニアとしての仕事に興味を持ったのはどんなことがきっかけでしたか?

小学生の時に読んだとある漫画のキャラクターに憧れたことがきっかけです。
主人公を支える仲間の一人に天才エンジニアがいるんですけど、主人公が乗る飛行機や飛行戦艦の図面をとても楽しそうに描いていたんです。
それを見て「自分も描いてみたい」と思ったんですよね。

あなたが「いつか設計(開発)してみたい」と思うものはなんですか?

オリジナルの飛行機(小型機)です。
いつか自分も憧れたキャラクターのように、自分自身の手で飛行機を作り上げたいと考えたりします。

休日はどんな過ごし方をしていますか?

自由に外出ができた頃は撮影旅行や登山、ロードバイクなどをしていました。

最近は家で家族とテレビゲームをして遊んだり、お菓子を作ったりしています。

今後の目標ややってみたい仕事などを教えてください。

引き続き、ものづくりに関わる仕事をやっていたいです。
視野をどんどん広げていきたいので、近年では溶接技術に触れていました。
私は機械系で電気系のことに対して苦手意識があるので、これからは挑戦してみたいとも考えています。

設計だけでなく製作や組み立てまで
全部に携わることができる会社

中央エンジニアリングは、業界においてどんな会社だと思いますか?

航空宇宙関連の設計企業としては決して大きな会社ではありませんが、それでも誰もが名前を知っている企業をはじめ、幅広い企業に技術提供をしており、長い歴史から来るたしかな信頼性のある会社だと感じています。 


中央エンジニアリングで働くことの魅力とは、あなたにとってはどんなところだと思いますか?

設計だけでなく製作や組み立てなど、トータルでものづくりに挑戦できることが魅力だと思います。いい設計をしようと思うと、「設計するものの使い方と作り方をどこまでイメージすることができるか」がとても大切になってきます。中央エンジニアリングでは全部に携わることができるので、大きな強みになっているのではないでしょうか。

研修や社内制度では、どんなことを学びましたか?

先ほど話にあげた溶接技術は、社外研修としてポリテクセンターで学んだことなんです。一朝一夕で学べるようなことではないので継続して少しずつ習得しました。溶接部品を設計するときにより具体的にイメージすることができるようになるので、モノづくりの知識ももっと増やせるといいなと思います。

入社を検討している方へ一言お願いします

航空宇宙業界のエンジニアを目指している方、ものづくりが好きな方にとって、挑戦できる環境と実績があります。そういう方は、ぜひ候補に入れてみてください。 飛行機が好きな人が来てくれるとうれしいですね。